モルタル作りでひび割れがひどく、お客様自身でひび割れに直接コーキング材を塗って、
ひび割れ処理をされています。(左写真) まず、そのコーキング材を除去します。
(写真中) そして、ひび割れを表面に現出させます。(写真右)
まず、お施主様が自ら施工されたシーリング材の撤去を行います。これは使用された
シーリング材の種類が適切でないのと、素地との接着が不十分であるので、行う作業
です。床と壁の入り隅部、床部、壁部とそれぞれ撤去します。
旧材撤去後のひび割れ部をUカットして、吸塵式ディスクサンダーで研磨して細かい凹凸の調整を行います。特に凸部は防水材が薄くしかのらないためなるべく平滑にして、防水材が均等にのるようにするために、必要な作業です。
床・壁のひび割れにUカット処理を施します。これは、ひび割れ部を間口・深さそれぞれ7~10㎜ 程度カットすることにより、シーリング材の打設スペースを作り、シーリング材本来の性能を発揮させるために行う処理です。シーリング材は、ある程度の幅と厚さがなければ、ひび割れに追随することができません。それを確保し、ひび割れを再度発生しずらくするものです。
立上り壁はシーリング材を打設した部分に、ガラスクロスを貼付け、その上から専用パテ材でしごき、ガラスクロスを定着させるとともに、素地を平滑にします。 床は腰壁を取り、専用下塗り材を塗布します。腰壁を取るのは、防水材をそこまで塗り上げるためです。これにより、防水端部からの水の浸入を防止します。
床下塗り後に、ひび割れ処理部にガラスクロスを貼り、防水材で接着させます。これにより、さらにひび割れ防止効果が得られます。立上り壁に下塗り材(微弾性フィラー)塗布、乾燥後に、立上り用防水材で、腰壁を塗装します。立上り面は防水材の厚みが付きずらいため、腰壁部は3回塗りで厚みを付ける様にします。そのためこの工程で一回塗っておき、床に防水材を流した時(1.5kg/㎡で2回流す)にも一緒に塗ってきます。
一回目を流し込みます。一回目乾燥後、表面にピンホールが発生していないかチェックします。発生していれば、エマルションパテで、埋めておきます。このような不具合を、最終仕上前に発見し処理しておくためにも、弊社では防水材を2回に分けて流し込むようにしています。
2回目を流し込み、乾燥後立上り壁に上塗りを2回塗装します(今回は弱溶剤2液型ウレタン塗料)。乾燥後、床と腰壁に保護材(いわゆるトップコート)を塗装して終了です。エアコンの室外機は、できる限り浮かせるようにします。その方が美しいシームレスの仕上がりになるからです。